【世界名作劇場】七つの海のティコってどんな作品?内容や見どころ・評価まとめ
こんにちは。まえさんです。
子供とよく一緒にTVアニメを観ています。
私自身が子供時代に好きだったアニメも、子供たちと一緒によく観て楽しんでいます。
さて、皆さんは世界名作劇場をご存知ですか?
「ハウス食品の提供でお送りしています」でコマーシャルに入るのが印象的でした。
今回はその中でも、七つの海のティコについてご紹介します。
主な登場人物
主人公ナナミが乗船しているペペロンチーノ号の乗組員の紹介
・ナナミ(声: 林原めぐみ)…作品の主人公。11歳。アメリカ人の父と日本人の母を持つハーフ。親友シャチのティコ、父(スコット・シンプソン)、父の友人(アルフォンゾ・アンドレッティ)と4歳のころから七つの海を旅している。
・スコット・シンプソン(声: 池田秀一)…ナナミの父で海洋生物学者。髪は濃い茶色で、顎ひげを生やしているのが特徴的。大学院で海洋生物の研究生だった時に、ナナミの母(洋子)と出会う。海洋調査船ペペロンチーノ号の船長。しかし、目的は伝説のヒカリクジラを探索すること。
・アルフォンゾ・アンドレッティ(声: 緒方賢一)…通称はアル。ヨーロッパの港でスコットと知り合いペペロンチーノ号に乗り込んだ。電気工学や機械全般が得意。潜水球「スクイドボール」を開発。祖母のロザリンドには弱い。
・シェリル・クリスティーナ・メルビル(声: 水谷優子)…メルビル財閥の一人娘で唯一の跡取り。イギリス大学経済学部の学生。好奇心旺盛で行動派。冒険を求めてペペロンチーノ号に乗り込む、わがままで気が強い根っからのお嬢様。だが、ナナミが辛い時には姉のように接するなど実は優しい一面を持つ。運転は下手である。
・トーマス・ルコント(声:松井摩味)…10歳。ルコント博士の息子。バハマでナナミ達と出会い、アルから「何にもできない弱虫」と言われルコント博士から離れ乗船。コンピュータに強く、旅の間アクシデントが起こった時にパソコンを使って解決策を探るなど活躍。
・ジェームス・マッキンタイア(声:増岡弘)…30年メルビル家に仕える執事。1日6回のティータイムを大切にするイギリス人紳士。忠実な執事だが、シェリルの暴走を諫めるなど一面も。部屋数の関係でペペロンチーノ号を降りスコーピオ号に乗船するが、数か月後、再びナナミたちと旅を共にする。
ナナミ達の宿敵GMC関係者の紹介
・ナターリャ・カミンスカヤ・ベネックス(声:川島千代子)…ナナミ達の敵となる大企業GMCの女幹部。トロンチウムを利用し生物兵器の開発を目論んでいる。トロンチウムにコンピュータ・チップの性能を飛躍的に向上させる力があるのを建前に、研究者であるルコント博士を援助しトロンチウム反応が出るヒカリクジラを探索させる。スコットが持つヒカリクジラの資料を手に入れるため研究資金の援助を申し出るが断られ、部下に盗ませる。
・ルコント博士(声:納谷六郎)…トーマスの父。スコットの大学時代の先輩。研究方針の違いからスコットとは疎遠に。研究者としてのプライドは高く、GMCの手段を選ばないやり口に嫌気がさしている。スコットを通じヒカリクジラという幻の海洋生物の存在を知り、ヒカリクジラの研究に夢中になるあまり、息子のトーマスにかまってあげられていない。
・ゴロワ(声:山下啓介)…GMCの一員で、トロンチウムを手に入れるべくルコントを利用。ヒカリクジラの骨を入手するため無謀な行動を命じ、船を危機的状況に陥らせたことも。自己中心的な性格で、無茶苦茶な言動を取る。
場を盛り上げ、癒してくれる動物たちの紹介
・ティコ…全長8メートル、体重7トン、推定年齢18歳、メスのシャチ。浜に打ち上げられていたところをスコットに助けてもらう。その後、スコットに飼われる(放し飼い)。いたずら好きな性格だが、ナナミ達のピンチを助ける勇敢で頼もしい存在。中盤でジュニアを出産。北極でアルを助け、命を落とす。
・ティコジュニア…ティコの子供。誕生後、しばらくは「ジュニア」と呼ばれていたが、母のティコが亡くなってからは、ナナミから「ティコ」と呼ばれる。母親同様、大のいたずら好き。ナナミとも一心同体のような存在となる。
・ヒカリクジラ…スコットが探し求める伝説のクジラ。トロンチウム反応が出るため、GMCに狙われ捕獲される。トロンチウム反応とは、ヒカリクジラの体内で合成されたトロンチウムという物質が光る性質を持つこと。死後の欠片(骨やヒゲ等)でも小さな光を放つ。その欠片がある程度の距離で接近するとストロンチウム反応が強くなる(共鳴し光が強くなる)ため、骨を持つスコットはヒカリクジラを探す手がかりの一つとしている。
大まかな登場人物の紹介は以上です。
ストーリーの概要
シャチのティコと心を通わせ会話ができることのできる少女ナナミ。
このナナミが父親と相棒のアルたちとともに伝説の生物ヒカリクジラを捜すため、海洋調査船ペペロンチーノ号で世界中の海を冒険する海洋冒険物語です。
一方、大企業GMCもある目的からヒカリクジラを求めて調査をしており、ナナミ達とはヒカリクジラについてライバル的な位置づけとなっています。
このGMCが、スコットの保持するヒカリクジラの資料を渡すよう圧力をかけたり、時には老人からヒカリクジラのひげを奪ったりなど、
ありとあらゆる手を使いヒカリクジラについて貪欲なまでの調査を進めていきます。
なぜここまで貪欲なのか?
実は、ヒカリクジラから企業が探し求めていたトロンチウム反応が出ているのを知り、GMCはこのトロンチウムを生物兵器として使用するのために、ヒカリクジラを探していたのでした。
ついにGMCはヒカリクジラを捕獲してしまいます。
そんな大企業に立ち向かい、捕獲されたヒカリクジラを全力で助け出すナナミ達。
ヒカリクジラを助け出したその時、ナナミとティコは助けられたヒカリクジラから不思議な声を耳にすることになります。
このように七つの海のティコは神秘的な終わり方をする作品になっています。どこかSFっぽさも感じますよね。
子供のころはまだまだ想像力が乏しかったため、その終わり方をよく理解できずにいました。
次はこの作品の見どころについてピックアップしていきたいと思います。
作品の見どころはここ!
そういえば「世界名作劇場」って、随分作品があるんですよね。
例えば、❝私のあしながおじさん❞などは、原作の本などを知っている方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介している七つの海のティコは、「世界名作劇場」シリーズ初にして、唯一の原作なし、完全オリジナル作品なんです!
また、主人公のナナミは東洋系(日系アメリカ人)。
日系人が主人公というのも、作品に日本や日本人が登場したのも、シリーズ初にして唯一なんですよね。
当時、子供だった私は、「”世界”名作劇場」なので、外国の物語しかないものだと思い込んでいました。
なので、ナナミが主人公で、その母親が日本人として登場したときは、もう本当にびっくり!
そこで改めて、
『そっか!日本も世界の一つなんだ!』
と気づかされた気がしたものです。(←言うまでもなくめでたい子供でした。)
そんな私が好きだった・感動した場面、というのは結構たくさんあります。
ナナミがティコに乗って海の中にもぐるシーン
毎回のように登場するシーンですが、なかでもナナミがティコの背びれを背もたれにしてそのまま潜っていくところなどは、
普段は体験できない海の中をシャチと一緒に泳ぎ、まるでシャチと一体化したかのような錯覚になったのを覚えています。
海が大好きな私にはものすごくあこがれたシーンでした。
ティコの妊娠~出産のシーン
いつもは楽しく遊ぶはずのティコが元気がなく、心配をするナナミ。父のスコットに相談すると、赤ちゃんが出来たと告げられ大喜び!
三か月後。陣痛はあるものの、ティコは苦しんでいてなかなか赤ちゃんが生まれてこない!
ナナミは心配し、何度も海中に潜ってティコの出産を助けようとします。
そして、新しい命”ジュニア”の誕生。
母親となったティコは、何度もジュニアを海面まで押し上げ、無事に初呼吸!
もう子供の私は感動で「やったー!」と手をたたいてしまい、兄弟から「うるさい!」としかられたのを覚えています。(笑)
何と言ってもラストのシーン!
ヒカリクジラはとうとうGMCに捕獲されてしまいます。そして捕獲されたヒカリクジラを逃がそうとしたスコットとルコント博士も捕まってしまいます。
そんな中で、すごい衝撃を感じます。それは、ヒカリクジラの鳴き声に集まって来た多くのクジラたちが一斉に体当たりをし始めた衝撃でした。
クジラだけでなく、ありとあらゆる海洋生物がヒカリクジラを救出しようと集まり、ナナミとティコの力も借りヒカリクジラは無事に解放されます。
その直後、クジラたちは一斉にある方向に進み始めました。ペペロンチーノ号もそれに従って進みます。
そしてその行き着く先に光の柱が。光の柱の中心は回転していて、クジラたちも光の柱を中心に周り始めます。
その時ナナミだけには「おいで、ナナミ」という言葉が聞こえて…。スコットたちから、ナナミとティコがヒカリクジラに選ばれたと言われ、ナナミはティコに乗ってヒカリクジラに会いに行きます。
そこはまるで宇宙空間。SFの世界。
その中にヒカリクジラの群がいました。ナナミはヒカリクジラに、これまでのいきさつや海の事、人間の事について話しをします。
ナナミがヒカリクジラが生物を作り出した神様か問うと、ヒカリクジラは「命を見守り見届けるものだ」と言って、亡くなったはずのティコとナナミのお母さんを呼び出します。
ティコジュニアはティコに、ナナミはお母さんに甘えますが、すぐに消えてしまいました。
ヒカリクジラはすべてを見ていると言うと、今度はナナミの過去、そして未来の映像を見せたのです。その中にはナナミがお母さんになった映像も。
その後、ヒカリクジラは去っていき、光の柱の消えた中にティコとナナミが浮いていたのです。
トーマスにヒカリクジラに会いに行かなくていいのかと聞かれたスコットは
「私はなぜヒカリクジラを追うのか自分に問いかける事がある。学問的興味、科学的感心、名声、満足感。だがねトーマス、もっと単純だったんだ。人間は何かを追い求めていなければ済まないようにできているんだ。何か自分には絶対ないものを」
と言うのです。
そして、スコットはそれが夢だと考えていました。その夢は一人娘のナナミによって達成されたことになります。
このシーン。実は、子供の私にはよく理解できていなくて、
「結局ヒカリクジラは何だったの?」
と頭が混乱したのを覚えています。現実主義だったのでしょうね。(笑)
ただ、スコットの”それは夢だ”と考えた部分は、すっと頭の中に入ってきて、ワクワクとしました。
評価・まとめ
世界名作劇場はその名称の変化はあったものの、開始時期が1969年の「ムーミン」以降の作品とされています。
つまり、1997年3月に終了した最後の作品「家なき子レミ」で約28年間続いていたことになる番組ですよね。
その中でも、先に述べた通り、「七つの海のティコ」はその歴史の中でシリーズ初にして、唯一の原作なし、完全オリジナル作品。
それまでになかったSFのような描写や、日系人はもちろん日本や日本人が初めて作中に出てくるなど、非常に新鮮味あふれるな作品になっています。
海が好きな方、海洋生物が好きな方、冒険に興味がある方などはたまらない作品ですね。
機会があったら是非お子さんと一緒にご覧になってみてください。
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